俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
第四部――『なによりも大切なこと』 ◆1
正午の羽田空港第二ターミナルは、土曜日ということもあり、混雑していた。
到着ゲートのまえで、丈一郎はいまかいまかと待ちわびている。
周りには、丈一郎と同じように、飛行機に乗って東京に戻ってくる家族を待つ人間ばかりのようだった。高校生の子どもの戻りを喜ぶ中年の夫婦。夫の帰りを待っているであろう幼子連れの母親。孫が遊びにでも来るのか、老夫婦の姿も見受けられる。
けども。
丈一郎は思う。
(愛おしい我が子と妻を待つ父親は、おれだけだ……)
再会を喜ぶ家族の声があがるたび、丈一郎のなかで焦燥が膨れ上がる。まだか。まだか。その気持ちを抑えられないのだ。
なんせ、綾乃に会えるのは四ヶ月ぶりだ。優香(ゆうか)は生まれてから3kgも体重が増えたらしく、抱っこをするのが大変だと綾乃が電話口でこぼしていた。愛娘には、いまだ、写真でしか対面を果たせていないが……。
優香はまだ『会っていない』のだから対面とは言わないか。
丈一郎が寂しげな笑みを口許に漏らしたとき――
到着ゲートのまえで、丈一郎はいまかいまかと待ちわびている。
周りには、丈一郎と同じように、飛行機に乗って東京に戻ってくる家族を待つ人間ばかりのようだった。高校生の子どもの戻りを喜ぶ中年の夫婦。夫の帰りを待っているであろう幼子連れの母親。孫が遊びにでも来るのか、老夫婦の姿も見受けられる。
けども。
丈一郎は思う。
(愛おしい我が子と妻を待つ父親は、おれだけだ……)
再会を喜ぶ家族の声があがるたび、丈一郎のなかで焦燥が膨れ上がる。まだか。まだか。その気持ちを抑えられないのだ。
なんせ、綾乃に会えるのは四ヶ月ぶりだ。優香(ゆうか)は生まれてから3kgも体重が増えたらしく、抱っこをするのが大変だと綾乃が電話口でこぼしていた。愛娘には、いまだ、写真でしか対面を果たせていないが……。
優香はまだ『会っていない』のだから対面とは言わないか。
丈一郎が寂しげな笑みを口許に漏らしたとき――