俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「もう、七時過ぎてるぜ」弱々しく答える綾乃に対し、丈一郎は、腹筋を使って声を出した。「あのさあ。おれ、お腹空いたから、とりあえずなんか頼もうぜ」
「じゃあ、……なんか、持ってきて、出前のチラシ……」
綾乃は目を閉じたままだった。わざわざ取りに行くのも面倒に感じられたが、綾乃の命なら仕方あるまい。出前のチラシを入れたファイルを取りに行き、ラッコ抱きで優香をお腹のうえに乗せたままの綾乃に手渡した。「はい」
「あ、りがと……」なんだか綾乃は辛そうな顔をしている。「なんか、根菜類がいいんだけど……」
「根菜類って、ごぼうとか? なんで?」
「母乳の出がよくなるから……」
「ふーん」丈一郎も、ばさばさとチラシを出し、目を通す。種類別にソートもかけず、古いものも新しいものもしっちゃかめっちゃかに入れているから探すのが大変だ。「あっ」と思いついて丈一郎は声を出した。「ならさ。ピザは? なんかおれ、すっごくピザ食べたい気分! おまえ誕生日なんだから食いたいもん食おうぜ!」
綾乃が妊娠中、好き好んで食べたのを思い返し、丈一郎がそう言ってみると。
ばさり、と音がした。
「じゃあ、……なんか、持ってきて、出前のチラシ……」
綾乃は目を閉じたままだった。わざわざ取りに行くのも面倒に感じられたが、綾乃の命なら仕方あるまい。出前のチラシを入れたファイルを取りに行き、ラッコ抱きで優香をお腹のうえに乗せたままの綾乃に手渡した。「はい」
「あ、りがと……」なんだか綾乃は辛そうな顔をしている。「なんか、根菜類がいいんだけど……」
「根菜類って、ごぼうとか? なんで?」
「母乳の出がよくなるから……」
「ふーん」丈一郎も、ばさばさとチラシを出し、目を通す。種類別にソートもかけず、古いものも新しいものもしっちゃかめっちゃかに入れているから探すのが大変だ。「あっ」と思いついて丈一郎は声を出した。「ならさ。ピザは? なんかおれ、すっごくピザ食べたい気分! おまえ誕生日なんだから食いたいもん食おうぜ!」
綾乃が妊娠中、好き好んで食べたのを思い返し、丈一郎がそう言ってみると。
ばさり、と音がした。