俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
綾乃は夜中に授乳をしている。もし客間に再び戻って綾乃が眠りこけてしまい、優香が泣いたらば綾乃の反応が遅れ、寝ている丈一郎を起こしてしまう事態となる。因みに優香を客間に連れて行くという選択肢はない。優香がラッコ抱きじゃないと寝ないのも理由のひとつだが、特定の場所じゃないとこの子は落ち着いて長く眠れない傾向にある。真夜中の暗い廊下を幼子を抱っこしながら進むのも危険だ。かといって。
一枚の敷布団に優香はゆったりと、丈一郎は窮屈そうに手足をはみださせて寝ている。綾乃が入り込むスペースなど皆無。はて。どうしたものか……。
と、突っ立ったまま顎先に手を添えて考え込んでいれば。――ふ。
ぎゃあ。おぎゃあ。おぎゃあおぎゃあ……!
手足を突っ張らせ優香が泣き始める。慌てて綾乃は優香の横に回り込み、膝の上に乗せて抱き、片手で自分の胸元を開く。すると。
「――ん。優香起きたの……?」
頭をぼりぼり掻きながら丈一郎が身を起こす。辺りを見回すと綾乃に気づき、「大変だねえ」と話しかける。すると綾乃は我が子に目を落としたまま、
「――まあ。みんなこんなもんだよ。