俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 いつだって明るくて余裕たっぷりのけいちゃんが、見るに、やつれていた。

 会うのは一ヶ月ぶりくらいだろうか。

 削げた頬。海の底よりも暗い瞳に怖気すら覚えたのだった。

「――悪い。もう一度言う。悪い。あのさ。綾乃――」

 ふ、と自分から目を逸らし、まるで彼はひとりごとのように早口で言うのだった。

「……いまから言うことが生理的に無理だったら、おれのことこっから追い出して。

 ……仮に。『有り』だったら、うちに入れてくんない?」

「……というと」わたしはとりあえず彼を玄関に招き入れ、ドアの鍵を閉めた。

 すると背の高い彼は高い位置からわたしを見下ろし、


「おまえのおっぱいに顔を埋めて寝たいんだけど」
< 24 / 259 >

この作品をシェア

pagetop