俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 綾乃は、その広い背中を見て、胸の奥が詰まるのを感じた。

 このひとといると、人生はなんと明るく輝いて見えるのだろう。

 いつも、ひとりだった。

 自分の存在意義が感じられなくなる瞬間だって、あった。遠く離れた家族が自分を認めてくれていると頭では分かっていても。

 感情は、理屈では動かない。

 彼氏がいたとしてもこころは、繋がっていなかったのだ。

 丈一郎になら、なんでも、言える。

 丈一郎といれば、どんな傷だって、きっと癒される。

 たとえこのさきどんなに悲しいことがあったとしても、丈一郎は、激しく慟哭する綾乃を見守ってくれたうえで、笑いかけてくれるのだろう。

『大丈夫だよ、綾乃。おれは、ずっときみの味方だ』

 愛している。

 丈一郎は、綾乃のなかに入ると、必ず、『好き』『愛している』の言葉をくれる。意外とロマンチストで、照れずにそういうことが言えるのだ。

 ――そしてわたしはこれから彼に満たされる。

 帰宅してからセックスするのは確実。スーパーの袋そっちのけで、丈一郎は綾乃の服を剥ぎ取る。
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