俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 実を言うと願望をひとつ隠している。今夜、勇気を出して、そのことを伝えてみようか。

「どったの綾乃ちゃん?」

「ううん」と綾乃は首を振る。「なんか、幸せで……」

「おれも、幸せ」きひ、と白い歯を見せて丈一郎は笑う。「でもなあ。綾乃ちゃん。外で、あんまし、そーゆー顔しないで。おれ、……」

 じゃがいもの袋をひとつ取ってきた丈一郎は、綾乃の耳元に口を寄せると、焦ったように早口で言った。


 我慢できなくなる。

 だっていま、綾乃ちゃん、エロいこと考えてたでしょ。


 帰宅後の行為がやけに激しかったのは、嫉妬ゆえか。

 丈一郎に突きあげられながら綾乃は顔を振り、白んでいく頭の片隅で思った。


 いや。

 いつものことか……。


 *
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