俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
だったら来年の誕生日は、もっと楽しくしてやろう、と丈一郎は思った。
悲しい記憶があるのならば、楽しい思い出で上書きしてやればいい。
そのことを明かすと綾乃がますます気に病むだろうから決して口には出さないが、丈一郎は決意した。
必ず幸せにしてやる、と。
* * *
よって。綾乃の来年の誕生日の前哨戦である丈一郎の誕生日も重要ではあった。綾乃の重荷を取り払ってやるという意味においてもだ。
だから、裸エプロン。
はだかだ。はだか……。
丈一郎はこみ上げる妄想をこらえた。
でも無理だった。
エプロンは、色気の感じられない水色の無地のもの。欲を言えばメイド服っぽいフリルのついた白がよかったが、この際贅沢は言うまい。
ワインの瓶の入った紙袋を片手にぶら下げ、丈一郎はメールを打つ。
『あと五分で着くから。よろしく』
返事はなかった。いつもならすぐ返信をくれるのにな、と丈一郎は思った。まあ余裕がないのだろう。
悲しい記憶があるのならば、楽しい思い出で上書きしてやればいい。
そのことを明かすと綾乃がますます気に病むだろうから決して口には出さないが、丈一郎は決意した。
必ず幸せにしてやる、と。
* * *
よって。綾乃の来年の誕生日の前哨戦である丈一郎の誕生日も重要ではあった。綾乃の重荷を取り払ってやるという意味においてもだ。
だから、裸エプロン。
はだかだ。はだか……。
丈一郎はこみ上げる妄想をこらえた。
でも無理だった。
エプロンは、色気の感じられない水色の無地のもの。欲を言えばメイド服っぽいフリルのついた白がよかったが、この際贅沢は言うまい。
ワインの瓶の入った紙袋を片手にぶら下げ、丈一郎はメールを打つ。
『あと五分で着くから。よろしく』
返事はなかった。いつもならすぐ返信をくれるのにな、と丈一郎は思った。まあ余裕がないのだろう。