俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 丈一郎は、気持ちを落ち着かせるようにして歩いた。通り道のコンビニでしっかり避妊具を購入。女の店員の目が気にならないといえば嘘になるが、もう慣れた。店を出ると歩道を歩く仕事帰りの会社員や大学生らしき男が目に入る。彼らがたどり着くのは、どんな家なのだろう。

 いったいどんな人生を歩んでいるのだろう。

 けどもと丈一郎は思う。

(このなかで、裸エプロンの彼女が待っている男は、おれだけだ……)

 優越感に浸りつつ家路を急いだ。


 * * *


 敢えて、インターホンを鳴らした。

 返事は、なかった。

 鍵を回して部屋に入る。入ってすぐ右手のキッチンで、フライパンでなにか炒めていた彼女が、手を止めた。匂いからして、丈一郎の好きなオムライス……が出来上がる前の、ケチャップライスだろう。

 丈一郎は、目で素早く彼女の全身をチェックした。

 確かに、はだかだ。
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