俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
「超絶旨えよなあ」男は目尻に皺を寄せて笑う。その表情が女の目に実に魅力的に映ることを知っているかは定かではないが。「肉も食えよ。なんならおれがしゃぶしゃぶしてやるけど?」

「いい」とわたしは首を振った。「自分でしたほうがなんか美味しい気がするもん」

 微笑んで彼は肉のパックを渡す。目を細めても目の大きいひとだなあ、とわたしは思う。

 そして、彼は、わたしと一緒に箸で肉を挟み鍋で茹で始めると、

「にしても。OX(オーエックス)でおまえ見かけるとは思わなかったな」

「わたし、最近結構OX派なんだよね。特に平日は。平日わざわざ遠いほう行く気しないじゃん。けいちゃんこそなんであそこにいたの」

「おれは、……外歩いてたらなか見えるじゃん、ほんでなんか、血相変えて爆買いしてる女がいたから」

 わたしは茹で上がった肉をごまだれ入りの器に入れてため息を漏らした。「……傍から見ても変なひとだったわけね」

「別に、普段のおまえを知ってるやつじゃなければ変だとは思わないんじゃねえの」

 変、か……。
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