俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
その二次会に参加する頃には、一条と最後に会ってから一年半が経過していた。
久しぶりに見る彼は、社会の荒波に揉まれた人間に共通する、熟成した大人の雰囲気を身にまとっていた。されど、話し方は大学時代となんら変わらず。むしろ、意識的に砕けたトークをしている節があった。他の先輩と話す彼を綾乃は盗み見た。彼が、綾乃を見た。綾乃に笑いかけてくれるその顔は相変わらず無垢な少年のようであり――
胸が高鳴るのを抑えられなかった。
これを逃すとチャンスは二度とない。駄目元で告白したところ、なんと、彼は、綾乃の想いを受け入れてくれたのだ。
本当に、一条が綾乃を愛しているのか、或いはそうでなかったかは、分からない。彼の気持ちは彼にしか分からない。週に一度だけの逢瀬という関係性を注視すれば冷淡とも言えるが、他方、彼が綾乃といるときにこころから嬉しそうな顔をする瞬間があった。例えば、綾乃が家族の話をするとき。
ベッドのうえで、初めて綾乃が自分からキスをしてみたときの反応を、綾乃は忘れることができない。
『……頼むよ。そんなことをされると、ぼくは、止まらなくなる……』
久しぶりに見る彼は、社会の荒波に揉まれた人間に共通する、熟成した大人の雰囲気を身にまとっていた。されど、話し方は大学時代となんら変わらず。むしろ、意識的に砕けたトークをしている節があった。他の先輩と話す彼を綾乃は盗み見た。彼が、綾乃を見た。綾乃に笑いかけてくれるその顔は相変わらず無垢な少年のようであり――
胸が高鳴るのを抑えられなかった。
これを逃すとチャンスは二度とない。駄目元で告白したところ、なんと、彼は、綾乃の想いを受け入れてくれたのだ。
本当に、一条が綾乃を愛しているのか、或いはそうでなかったかは、分からない。彼の気持ちは彼にしか分からない。週に一度だけの逢瀬という関係性を注視すれば冷淡とも言えるが、他方、彼が綾乃といるときにこころから嬉しそうな顔をする瞬間があった。例えば、綾乃が家族の話をするとき。
ベッドのうえで、初めて綾乃が自分からキスをしてみたときの反応を、綾乃は忘れることができない。
『……頼むよ。そんなことをされると、ぼくは、止まらなくなる……』