俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 会うのが久しぶりであっても、共通の認識が、隔たった時間を溶かしだしてくれる。そのあと、綾乃と恵琉は、学生時代の頃のように、追加注文したパフェをつつきながらひたすらに語り合った。恋人のこと夫のこと子どものことそして将来のこと。

 夢や希望――。

 生きることは必ずや苦痛を伴うものだ。しかし、同時に希望や愛に満ちあふれている。自分を見失うときは、それを忘れてしまうだけであって。

 綾乃にとって、恵琉は、自分に大切なものを気づかせてくれる、大切な存在だった。

 自分の将来を体現する、憧れの女性でもあった。

 綾乃だって、いつか家庭を持ちたい。愛するひととの子どもが、欲しい。

 恵琉と話すうちに綾乃は自分の想いを確信した。


(けいちゃんと、いつか、一緒になりたい――)


 * * *

 
 帰宅すると、丈一郎はひとりテレビでサッカー観戦をしていた。彼は仕事柄、スポーツ全般をチェックしている。
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