俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
一条誠治とのセックスは、満たされることはあれど、別段、強烈というものでもなく淡々としていた。
義務で行う仕事にもちょっと似ていた。勿論、からだとこころは満たされることはあれど。
綾乃は、丈一郎に抱かれると、声が出るのを抑えられない。
彼女は卑猥なものを、文書や画像でしか知らない。要するに、映像を見たことがないのだ。
なので、どういう種の声が『正しい』のかがよく分からない。それでも――
我慢出来ない。
「あ。ああ。けいちゃん、けいちゃん……」
ベッドのうえで丈一郎に執拗に求められ。綾乃は、必死で彼に助けを求める。
その彼はますます、綾乃を高いところへと導いていく。
「綾乃。――綾乃」腰をゆっくりと回しながらくちづけをくれる。綾乃の好きな、彼の愛し方だ。目の奥が熱くなり、彼を締めつける自分の力が強くなるのが分かる。
目の前に閃光が弾けた。
「ん。はああ……」ねっとりとした彼の舌が出て行く。彼女の変化は彼に、伝わったようで。
頬に添えられた彼の手が、熱い。
視線を、感じる。