俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~

 ちらと彼の表情を確かめようとすれば、彼の口元が笑みを浮かべる。

「いまから、綾乃のこと、気持ちよくしてやるから、ちょっと待ってて」

 待っていたのは下からの深い突きあげ。

 いままでとは違うところに当たって、深い意識へと綾乃を追いやって行く。

 丈一郎は、計算してやっているに違いない。

 綾乃は、流れに身を任せた。すると、間もなくしてそのときは訪れる。

 暗闇のなかで必死に手を伸ばせば花開く情景のなか。


 やはり、彼は綾乃の姿を認めると笑いかけ。

 そして、差し伸べる手を握りしめてくれた。



 * * *


 セックスの後は、シャワーを浴び、抱きしめ合って眠る。……ベッドには、情交後に特有の匂いは残ってはいるけれど。

 からだの前面で、丈一郎の固く締まったからだを感じ。他方、彼の大きな手は綾乃の背中に回されている。

 違うんだなあ、と綾乃は思う。

 男と女のからだは、どこまでも違う。
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