俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 そっと、丈一郎のお腹に手を置いた。誰に対しても第一印象で好印象を与えねばならない営業職という職業柄、丈一郎はからだを鍛えているそうだ。初めての夜は、彼のからだを直視する余裕などなかったが、翌朝、ベッドのうえで見た彼のからだの美しさに、綾乃は密かに魅せられたのだった。

 余分なものを削ぎ落とした丈一郎のからだが、綾乃一人を愛す人間として、ただそこに存在した。

 綾乃は、丈一郎の後頭部に手を回し、より自分の柔らかさを押しつけるようにする。綾乃自身がとても気分よくいられる体勢だ。丈一郎は、『綾乃のおっぱいが潰れるのを見るのはいやだ――いいや、そ、こまで、悪くないかも』と煩悶するポーズでもあるが。

 丈一郎は、いまだ目覚める様子にない。

 それをいいことに、綾乃は、思い切って、丈一郎の腰の横に手をついて、からだを上下させてみた。自分の乳房を使って丈一郎を愛撫する動き。恥ずかしくて、丈一郎の意識が覚醒していたら、できない行動だ。もし彼の目前でしてみれば、間違いなく彼は喜ぶだろうけれど。

 もっと、彼の喜ぶことをしてあげたい。
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