俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 胸のなかに落ちてくる感情を、ゆっくりと確かめたうえで、綾乃は口を開いた。


「小池丈一郎さん。これからも、末永く、よろしくお願いします……」


 やった、と短い丈一郎の叫びを聞いた。直後、彼の腕のなかだった。

 彼の、ぬくもりと感動が伝わる。

 恋人たちは、暗黙の了解を共有してはいた。

 だが、ときにはそれを、言葉にせねば、伝わらない。他人同士の難しいところではある。

 よって、互いの愛を、言葉を媒介にして伝え合った恋人同士特有の安堵が、部屋中に満ちていく。

 自然、丈一郎も笑みをこぼす。「おれ、……すごく、幸せ。

 ちゃんと伝わってるかなあ? おれ、……綾乃が思ってるよりもずっと、綾乃のことが好きなんだぜ」

「チャゲアスですか」綾乃は、彼の頬に自分のそれをこすりつけて笑う。「わたしも、すごく、幸せだよ、けいちゃん。

 幸せなの、わたし。

 けいちゃんに出会えて、愛されて、わたしの人生、これ以上ないほどに、変わったの……。

 けいちゃん以上に、献身的なひとを、わたしは知らない」
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