俺が好きなのは、お前だ。~男友達の積年の片想い相手はわたしでした~
 おれの家族にも会って貰いたい。面倒くさいかもしれないけど一緒に鍋とか食べて欲しい。……あいつら、おれにずっと彼女がいないからうるせーんだ。あと、おれの友達とかにも。まああいつらはあと回しでもいいけど。だから……、

 ちゃんとそれを済ませてからにしないか」

 真面目なひとだと、綾乃は思った。

 対照的に、流れに任せた自分の発言の恥ずかしいこと……。

 たまらず綾乃は顔を逸らした。だが、丈一郎の手が、それを許さない。「綾乃、おれ……、

 好きだから、大切にしたいんだ。

 おれ、すごく、欲しいよ。綾乃との子ども……」

 切なげに彼の瞳が細まる。この顔を、綾乃は一生忘れたくないと思った。

「何人くらい?」と綾乃は訊く。

「うーん。綾乃はどうよ。仕事、続けんの?」

「辞めるって選択肢は頭になかったなあ……」

「じゃあ、続ければいいんじゃない、仕事。そしたら、……多くても三人までだろうな」

 喋りながらも彼の指は着実に正確に動いている。感じながらも、綾乃は、「わたし、……ひとりか二人かなあ」と自分の意志を口にした。
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