声の王子様
那原圭一はエレベーターの扉が閉まると、ポケットから小さな、がま口財布を取り出した。
「あの子がコレをねぇ」
那原は楽しそうにそれを握りしめて鞄の中に大切にしまった。
そのまま玄関に向かいIDを守衛に渡すとゲートを通って外に出た。
既に停まっていたタクシーに乗り、窓の外を見る。
那原は先ほどのことを思い返してた。
仕事が終わりスタジオを出た時にマネージャーとスマホで連絡を取り合っていた。
その時、さっと風が吹き「すみません」という声がした気がした。
遅れて顔を上げると女性が走り去っていく後ろ姿が見えた。
気にせず再びスマホを見ながら進むと足先に何か踏んだ感触があった。
それはストラップの紐が付いている小さな、がま口財布。
さっきの人が落としたのかと思い拾い上げると口先が開いていた。
その瞬間とんでもないものが目に飛び込んできたのである。
那原はパウチされたそれをつまみ上げて目の高さまであげると息を吐き出すように笑った。
それは自分が担当している乙女ゲームのキャラクターだった。
「マジか」
こんなものをわざわざ財布に入れている女の顔を見てみたくなった。
那原は女性が向かった方向に歩き出した。
するとテレビ局の社員と思われるインカムをつけた男と話している女性が目に入った。
「へぇ~純情そうなのに」
物陰に隠れて彼女が去っていくのを見やって不敵な笑みを浮かべた。
「あの子がコレをねぇ」
那原は楽しそうにそれを握りしめて鞄の中に大切にしまった。
そのまま玄関に向かいIDを守衛に渡すとゲートを通って外に出た。
既に停まっていたタクシーに乗り、窓の外を見る。
那原は先ほどのことを思い返してた。
仕事が終わりスタジオを出た時にマネージャーとスマホで連絡を取り合っていた。
その時、さっと風が吹き「すみません」という声がした気がした。
遅れて顔を上げると女性が走り去っていく後ろ姿が見えた。
気にせず再びスマホを見ながら進むと足先に何か踏んだ感触があった。
それはストラップの紐が付いている小さな、がま口財布。
さっきの人が落としたのかと思い拾い上げると口先が開いていた。
その瞬間とんでもないものが目に飛び込んできたのである。
那原はパウチされたそれをつまみ上げて目の高さまであげると息を吐き出すように笑った。
それは自分が担当している乙女ゲームのキャラクターだった。
「マジか」
こんなものをわざわざ財布に入れている女の顔を見てみたくなった。
那原は女性が向かった方向に歩き出した。
するとテレビ局の社員と思われるインカムをつけた男と話している女性が目に入った。
「へぇ~純情そうなのに」
物陰に隠れて彼女が去っていくのを見やって不敵な笑みを浮かべた。