Special Day


そうこうしているうちに、俺は映画をスタートさせる。


おどろおどろしいオープニングに、千紘は最初からびくびくしてるみたいだった。


ゾンビ映画だし、そういう演出は当たり前だろうけどほんとに全部観きれんのかな。




「ひっ」


「大丈夫?」




画面いっぱいに、急にゾンビが張り付いてきて千紘はぎゅうっと俺にくっついてくる。


恥ずかしいとかが恐怖で消えてるっぽい。


それとたぶん、今日がホワイトデーっていうことも忘れてるけど。




「けっこう怖かったかもね。……千紘?」




映画を無事(?)観終わって、千紘に声をかけたけど返事がない。


───寝てる。



しかもちょっと泣いたあとがあるから泣きつかれちゃったのかも。


怖がってたからなぁ。




「千紘、ホワイトデーのお返しあげる」




小さい声で囁いてこっそりとプレゼントを千紘に。


起きてからの反応が楽しみだ。



肩にもたれかかっている千紘を起こさないようにして、俺はテレビを消した。
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