第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
ミラと少し話すようになってから、
ローゼのことが、以前ほど気にならなくなっていた。

「ミラ嬢は……王妃教育を受けているということは、
王妃を目指していらっしゃるのですか?」

「いえいえ」

ミラは慌てて手を振る。

「父と王家に少し繋がりがありまして。
形式上、参加しているだけですわ」

「そうでしたか」

ほっとしたように相槌を打つと、
ミラは身を乗り出してくる。

「それよりも……ティアナ様。
殿下と恋仲、というのは本当ですの?」

「えっと……」

思わず言葉に詰まる。
曖昧に返すと、
ミラはきらきらと目を輝かせた。

「でも、殿下。
明らかにティアナ様を見る目が違いましたわ」

「ダンスのレッスンの時も、
殿下がティアナ様と踊りたそうにしているの、
一目でわかりましたもの」

うっとりとした表情で言われて、
私は思わず苦笑する。

「……そうかな」

「そうですとも!」

ミラは力強く頷いた。

「負けないでくださいね。
——愛は、勝つですわ!!」

勢いよく言い切られて、
私はまた、はは、と小さく笑った。
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