第4部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
3着目は、ヴァイオレット色の落ち着いたシンプルなドレス。
シルクで仕立てられており、光沢感が美しい。

「素敵です……お嬢様」
アリスが小さな声で褒める。

「うん!バッチリね。綺麗だわ」
ルイも目を輝かせ、力強く頷く。

「このマーメイドデザインのドレス、似合う人ってなかなかいないのよ!
露出は控えめだけど、身体の線はしっかり出るから、大人っぽく着こなせてるわ」

ユウリも鏡越しに頷き、静かに褒めてくれる。

「とてもお綺麗です。これが良いと思います」

「ありがとう……」

「ふむふむ……これに合わせるなら、ヘアアクセは淡いラベンダーのリボンか、小さな花飾り……靴はシルバーのハイヒールで、手袋はロングにしましょう!」

「……ちょっと待って、ルイ」

頭の中で軽くパニック。
アクセサリーと靴と手袋まで一気に決められたら、私の脳内がオーバーヒートしそうだ。

「腰まわりも少し余裕があるから、もう少し詰めましょうか」
ルイがドレスの生地をつまむ。

――いや、これ以上つめられたら、間違いなく太れない。
内心焦るけど、ルイの真剣な眼差しには逆らえず、大人しく従う。

「ふぅ……こうして、小物まで完璧に揃えば、まさにパーティーの主役よ!」

ルイは得意げに胸を張る。

「……うん、でも、ちょっと目が回ったわ」

鏡に映る自分と、ルイの熱意とユウリの鋭い監視目線を交互に見て、思わず苦笑い。
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