追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
おとといのデート以降、仕事に向き合う私の歩調は完全に狂ってしまっている。
この狂いを、職場の誰にも悟られたくなかった。
プライベートと仕事を混同させるなんて、私のプライドが許せない。つい握り締めた拳がふたりの目に留まっていなかったらいいな、と苦々しく思う。
「は~、それにしても」
間を置かず、田口さんが少々浮かれた声をあげた。
苦い気持ちを抱いていた分、空気が変わってくれた気がして、なんとなくほっとする。
「いいなぁ出張とか! おれもしてみたいな~」
「いや遊びじゃないんだからね、別に」
「分かってますって。でもおれってずーっと内勤じゃないですか~、そりゃ業務的に仕方ないのは分かってるんですけどぉ」
溜息交じりに愚痴を落とし始めた田口さんは、谷俣さんの苦笑気味の釘刺しもあっさりスルーして続ける。
「ねぇ柊木さん、もし良かったら今日、一緒にお昼行きません?」
「えっ、今日……もですか?」
結構な頻度で誘われている気がする。特に、今月に入ってからはすごい。
毎度の軽いノリではある。田口さんとは、前の出社日にも一緒にランチに出かけていた。今日はちょっと、とやんわり断ろうとした、その矢先。
この狂いを、職場の誰にも悟られたくなかった。
プライベートと仕事を混同させるなんて、私のプライドが許せない。つい握り締めた拳がふたりの目に留まっていなかったらいいな、と苦々しく思う。
「は~、それにしても」
間を置かず、田口さんが少々浮かれた声をあげた。
苦い気持ちを抱いていた分、空気が変わってくれた気がして、なんとなくほっとする。
「いいなぁ出張とか! おれもしてみたいな~」
「いや遊びじゃないんだからね、別に」
「分かってますって。でもおれってずーっと内勤じゃないですか~、そりゃ業務的に仕方ないのは分かってるんですけどぉ」
溜息交じりに愚痴を落とし始めた田口さんは、谷俣さんの苦笑気味の釘刺しもあっさりスルーして続ける。
「ねぇ柊木さん、もし良かったら今日、一緒にお昼行きません?」
「えっ、今日……もですか?」
結構な頻度で誘われている気がする。特に、今月に入ってからはすごい。
毎度の軽いノリではある。田口さんとは、前の出社日にも一緒にランチに出かけていた。今日はちょっと、とやんわり断ろうとした、その矢先。