追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「駄目だ」
聞き慣れた声が耳を掠め、なぜか私の心臓こそぎくりと跳ねた。
振り返った先には、いつ社長室から出てきたのか、鵜ノ崎さんの姿があった。口元を緩めて田口さんを見下ろす彼の目が、笑っているのに笑っていないように見えて、私の心臓はまた派手に跳ねる。
「あ……と、これは後でいいや。じゃね」
場に走った緊張を察したのだろう。手持ちの書類を田口さんには渡さないまま、谷俣さんはそそくさと自席へ戻っていく。
相変わらず、谷俣さんは空気を読むことに長けすぎている。
「あっ、お、おはようございます鵜ノ崎さん……」
やべ、という内心が思いきり顔に出ている。
やっぱり可愛い系なんだよな田口さんは、と場違いな感想がよぎった。
「おはよう。柊木は駄目だ」
「えっ、あ、駄目? なにが、でしたっけ?」
「ランチの誘い」
「やっぱ聞かれてたぁ~~~」
やってしまった、とばかりに天を仰ぐ田口さんを見て噴き出しそうになった口元がにわかに固まる。
強烈な視線を感じ、鵜ノ崎さんに目を向けた。
相変わらず彼は微笑んでいる。でもやはり私には、笑っているけれど笑っていない顔に見えた。
聞き慣れた声が耳を掠め、なぜか私の心臓こそぎくりと跳ねた。
振り返った先には、いつ社長室から出てきたのか、鵜ノ崎さんの姿があった。口元を緩めて田口さんを見下ろす彼の目が、笑っているのに笑っていないように見えて、私の心臓はまた派手に跳ねる。
「あ……と、これは後でいいや。じゃね」
場に走った緊張を察したのだろう。手持ちの書類を田口さんには渡さないまま、谷俣さんはそそくさと自席へ戻っていく。
相変わらず、谷俣さんは空気を読むことに長けすぎている。
「あっ、お、おはようございます鵜ノ崎さん……」
やべ、という内心が思いきり顔に出ている。
やっぱり可愛い系なんだよな田口さんは、と場違いな感想がよぎった。
「おはよう。柊木は駄目だ」
「えっ、あ、駄目? なにが、でしたっけ?」
「ランチの誘い」
「やっぱ聞かれてたぁ~~~」
やってしまった、とばかりに天を仰ぐ田口さんを見て噴き出しそうになった口元がにわかに固まる。
強烈な視線を感じ、鵜ノ崎さんに目を向けた。
相変わらず彼は微笑んでいる。でもやはり私には、笑っているけれど笑っていない顔に見えた。