追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
田口さんにはどう見えているだろう。
再び田口さんに視線を向けてみる。当の田口さんはまだ天を仰いで己のやらかしを振り返っている様子で、あぁこれは気づいてないかもな、と諦めの気持ちがよぎった。
「すり合わせは終わったな? 借りるぞ」
田口さんの返事を待たずに、鵜ノ崎さんは私を手招きする。
なにを口走ることもできないまま、社長室に直行されてしまった。
急ぎ足で室内まで追いかけると、そのまま、閉じたドアに身体を押しつけられて両腕で逃げ場を奪われた。
急な接触に驚いた喉が、ひゅる、と音を立てて鳴る。
「なに? さっきの」
耳元で低く囁かれ、びく、と身体が震える。
ここは誰の視線も届かない密室だ。まっすぐ注がれてくる視線に耐えきれず、私は鵜ノ崎さんから露骨に目を逸らして唇を開く。
「も、申し訳ありません。朝から雑談ばかり」
「それは別にいいけど、田口とあんな仲良かったっけ、柊木」
腕に閉じ込められたきりで問われる。
責めるような声色だな、と思う。嘘だ。あり得ない。仕事中にこんな嫉妬じみたことを言い出すなんて、本当に鵜ノ崎さんらしくない。
再び田口さんに視線を向けてみる。当の田口さんはまだ天を仰いで己のやらかしを振り返っている様子で、あぁこれは気づいてないかもな、と諦めの気持ちがよぎった。
「すり合わせは終わったな? 借りるぞ」
田口さんの返事を待たずに、鵜ノ崎さんは私を手招きする。
なにを口走ることもできないまま、社長室に直行されてしまった。
急ぎ足で室内まで追いかけると、そのまま、閉じたドアに身体を押しつけられて両腕で逃げ場を奪われた。
急な接触に驚いた喉が、ひゅる、と音を立てて鳴る。
「なに? さっきの」
耳元で低く囁かれ、びく、と身体が震える。
ここは誰の視線も届かない密室だ。まっすぐ注がれてくる視線に耐えきれず、私は鵜ノ崎さんから露骨に目を逸らして唇を開く。
「も、申し訳ありません。朝から雑談ばかり」
「それは別にいいけど、田口とあんな仲良かったっけ、柊木」
腕に閉じ込められたきりで問われる。
責めるような声色だな、と思う。嘘だ。あり得ない。仕事中にこんな嫉妬じみたことを言い出すなんて、本当に鵜ノ崎さんらしくない。