追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「お言葉ですが、こ、こういったお仕事はさすがに秘書としての業務範囲を超え……」
「秘書だから頼んでるんじゃない。もうひとつの仕事の依頼だ」
「あ」
思わず声が漏れた。
恋人係のほうの仕事だ、と理解したからだ。
そもそも恋人係なんて、それは仕事に分類されていいことなのか。いや、そこを疑ってしまったら墓穴を掘るだけだ。
仕事だと考えているなら引き受けなければならない。逆に仕事だと考えていないなら、私は、鵜ノ崎さんの言う恋人係の本当の意味を考えなければいけなくなる。
どちらにしても、今回のパーティー同行からは逃げ切れない。
「もっと気楽に考えてくれていいよ。仕事だけど仕事じゃない、みたいな」
頭を抱えそうになったものの、彼が言わんとしていることは分からないでもない。
鵜ノ崎さんの声は穏やかで、私を宥めるような調子も帯びている。もしかしたら今の私の顔には、迷いも焦りも、思いきり滲み出ているのかもしれない。
伊達に二年半も一緒に働いていない。私が鵜ノ崎さんをよく知っているように、鵜ノ崎さんも私をよく見ているし、よく知ってくれている。
先日、お屋敷の玄関先を訪問した際に対面した和装姿の厳つい相貌がふと脳裏に蘇り、私は唇を引き結んだ。
「秘書だから頼んでるんじゃない。もうひとつの仕事の依頼だ」
「あ」
思わず声が漏れた。
恋人係のほうの仕事だ、と理解したからだ。
そもそも恋人係なんて、それは仕事に分類されていいことなのか。いや、そこを疑ってしまったら墓穴を掘るだけだ。
仕事だと考えているなら引き受けなければならない。逆に仕事だと考えていないなら、私は、鵜ノ崎さんの言う恋人係の本当の意味を考えなければいけなくなる。
どちらにしても、今回のパーティー同行からは逃げ切れない。
「もっと気楽に考えてくれていいよ。仕事だけど仕事じゃない、みたいな」
頭を抱えそうになったものの、彼が言わんとしていることは分からないでもない。
鵜ノ崎さんの声は穏やかで、私を宥めるような調子も帯びている。もしかしたら今の私の顔には、迷いも焦りも、思いきり滲み出ているのかもしれない。
伊達に二年半も一緒に働いていない。私が鵜ノ崎さんをよく知っているように、鵜ノ崎さんも私をよく見ているし、よく知ってくれている。
先日、お屋敷の玄関先を訪問した際に対面した和装姿の厳つい相貌がふと脳裏に蘇り、私は唇を引き結んだ。