追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
本当になんの用だ。
グループ子会社の社員が、グループ外の会社のトップに、わざわざ。
謎の接触を図ってきた酒巻さんの隣には、空気をわざと読まない女性がひとり。
彼は今日、わざと姫田さんを連れている。そんな気がする。姫田さんが私に、あわよくば鵜ノ崎さんに空気を読まず話しかける胆力を利用する心づもりなのかもしれない。
例えば転職、あるいは起業。そういうなにかの伝手でも探しているのかも、となんとなく想像したところで、酒巻さんがおずおずと口を開いた。
「ああ、ええと。端的に申し上げると、御社の鵜ノ崎代表に折り入って相談が」
適当に巡らせていた想像は、無駄にいい線を行っているのかもしれない。
思わず目を細める。すると、隣の姫田さんが猫撫で声で口を挟んできた。
「酒巻先輩ね、今の会社を辞めて、新しく会社を興そうかなって考えてるの。それでね、大学の先輩にっていうか、鵜ノ崎先輩にいろいろ相談できないかなって……そしたら歩加ちゃんもいるからさぁ、見知った顔がいてくれて安心しちゃった!」
はしゃいだ、それでいて演技がかった調子で喋り続ける姫田さんの声を聞きながら、ああ、酒巻さんはやはり今日わざと姫田さんを連れているんだな、と思う。
グループ子会社の社員が、グループ外の会社のトップに、わざわざ。
謎の接触を図ってきた酒巻さんの隣には、空気をわざと読まない女性がひとり。
彼は今日、わざと姫田さんを連れている。そんな気がする。姫田さんが私に、あわよくば鵜ノ崎さんに空気を読まず話しかける胆力を利用する心づもりなのかもしれない。
例えば転職、あるいは起業。そういうなにかの伝手でも探しているのかも、となんとなく想像したところで、酒巻さんがおずおずと口を開いた。
「ああ、ええと。端的に申し上げると、御社の鵜ノ崎代表に折り入って相談が」
適当に巡らせていた想像は、無駄にいい線を行っているのかもしれない。
思わず目を細める。すると、隣の姫田さんが猫撫で声で口を挟んできた。
「酒巻先輩ね、今の会社を辞めて、新しく会社を興そうかなって考えてるの。それでね、大学の先輩にっていうか、鵜ノ崎先輩にいろいろ相談できないかなって……そしたら歩加ちゃんもいるからさぁ、見知った顔がいてくれて安心しちゃった!」
はしゃいだ、それでいて演技がかった調子で喋り続ける姫田さんの声を聞きながら、ああ、酒巻さんはやはり今日わざと姫田さんを連れているんだな、と思う。