追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
思い当たる節があるのか、あるいは〝まさかそこまでしていたなんて〟と驚きを隠せなかったのか、柊木は目を見開いて固まっている。
「元々は柊木への嫌がらせの裏を取りたかった。けど、少し調べたらとんでもない話がバカスカ飛び出してきたから、せっかくだし知り合いの告発に協力した」
「それって、私のために、ですか?」
「柊木は『別に望んでない』って教えてくれただろ。だからただの俺の自己満足だよ、俺があの女を始末したかっただけ」
無論、社会的にという意味ではあったが、いざ言葉に置き換えると私怨が滲む。
「自己満足にしては、十年前の意趣返しとして優れすぎてたかと」
「……派手なドレスの浮いてる女、会場に入ってすぐ見えたからな」
抱き合っている今、柊木の顔は見えない。
背を締めつける彼女の腕に、ぎゅ、とそれまで以上に力がこもる。
「柊木になんかする気かもって、注意はしてた。さっきは間に合わなくてごめんな」
「と、とんでもないです。だいたい今日のあれに比べたら、十年前の一連なんて全然大したこと……」
「それは違う」
手を取りながら言葉を遮る。
「柊木の傷は柊木のものでいい。つらかったのは本当だろ」
指を絡めると、柊木は言葉を途絶えさせた。
「元々は柊木への嫌がらせの裏を取りたかった。けど、少し調べたらとんでもない話がバカスカ飛び出してきたから、せっかくだし知り合いの告発に協力した」
「それって、私のために、ですか?」
「柊木は『別に望んでない』って教えてくれただろ。だからただの俺の自己満足だよ、俺があの女を始末したかっただけ」
無論、社会的にという意味ではあったが、いざ言葉に置き換えると私怨が滲む。
「自己満足にしては、十年前の意趣返しとして優れすぎてたかと」
「……派手なドレスの浮いてる女、会場に入ってすぐ見えたからな」
抱き合っている今、柊木の顔は見えない。
背を締めつける彼女の腕に、ぎゅ、とそれまで以上に力がこもる。
「柊木になんかする気かもって、注意はしてた。さっきは間に合わなくてごめんな」
「と、とんでもないです。だいたい今日のあれに比べたら、十年前の一連なんて全然大したこと……」
「それは違う」
手を取りながら言葉を遮る。
「柊木の傷は柊木のものでいい。つらかったのは本当だろ」
指を絡めると、柊木は言葉を途絶えさせた。