追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
悪気があるわけではないと分かってはいるけれど、訊かれるたびに苦い気分になる。
楽しくやってるよ、と返したら意地を張っていると受け取られそうだから、私の返答は必然的に母へ頷き返すだけの言葉になる。
答えながら、ちり、と胸に緊張が走った。
鵜ノ崎さんと過ごした直後の今、私はきちんと冷静な対応を取れるだろうか。
『あの、それでね歩加』
「うん」
『お父さんの会社の専務さんからね、なんていうか、うちの息子はどうかって話が出てるみたいなの。でね、都合がつきそうなら……』
眉が寄る。いつもはもっと雑談を重ねた上で切り出してくるのに、今日の母は用件を口に乗せるのが異様に早い。
私も今年で二十八歳だ。〝結婚はまだなのか〟という質問が、両親世代の人たちの口からいつ飛び出してもおかしくない年齢になった。
地元は小さな田舎町だ。周囲から訊かれたり探られたりして、母もそれなりに気まずい思いをしているのかもしれない。
今までは『もう少しこっちで働きたいから』とか『最近忙しくて』とか、曖昧にごまかして断ってきた。
けれど、今はとにかくタイミングが悪い。
楽しくやってるよ、と返したら意地を張っていると受け取られそうだから、私の返答は必然的に母へ頷き返すだけの言葉になる。
答えながら、ちり、と胸に緊張が走った。
鵜ノ崎さんと過ごした直後の今、私はきちんと冷静な対応を取れるだろうか。
『あの、それでね歩加』
「うん」
『お父さんの会社の専務さんからね、なんていうか、うちの息子はどうかって話が出てるみたいなの。でね、都合がつきそうなら……』
眉が寄る。いつもはもっと雑談を重ねた上で切り出してくるのに、今日の母は用件を口に乗せるのが異様に早い。
私も今年で二十八歳だ。〝結婚はまだなのか〟という質問が、両親世代の人たちの口からいつ飛び出してもおかしくない年齢になった。
地元は小さな田舎町だ。周囲から訊かれたり探られたりして、母もそれなりに気まずい思いをしているのかもしれない。
今までは『もう少しこっちで働きたいから』とか『最近忙しくて』とか、曖昧にごまかして断ってきた。
けれど、今はとにかくタイミングが悪い。