追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
 首へしがみついた私に、というより私の脚に、鵜ノ崎さんの目は釘づけになっていた。

 抱き上げられた拍子にスカートがずり上がり、太腿が晒されている。
 素肌とともに見え隠れしているのは、あのパーティーの夜にも着けていたガーターストッキングだ。

 家に招いて、こんなものを身に着けて誘って――どうかしている。

 この恋は私をとっくに狂わせている。
 私が頑なに言葉での告白を避けているのは、なんとか〝自分からは追っていない〟という体裁にしがみつきたいから、それだけだ。

「……お前さあ……」

 なにこれ、と呟く吐息交じりの声が首筋にかかる。

 熱い。それに、少し浅い。
 余裕がなさそうな息を吐き出す鵜ノ崎さんの唇を、私は、彼の腕に抱かれたまま自分から唇を寄せて塞いだ。
< 178 / 254 >

この作品をシェア

pagetop