追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
 ぽかんと口を開けて黙ったきり、柊木の顔はさらに赤くなっていき、途中で背を向けられてしまった。

 その背を抱き締めると、ぎし、とベッドが苦しげに軋む。

 ふたり分の体重を支えるにはただでさえ心許ないのに、さっきは壊しそうな勢いで揺らしまくってしまった。
 情事の一部始終を思い返しながら、堪らず口が緩む。シングルサイズのベッドは狭いが、今は、逆にこの狭さが心地好い。

「いいよ。好きって言えないままでも」

 目の前に迫った無防備な首筋へ唇を寄せる。
 背中を向けて甘い声を堪える柊木の首、そして耳も真っ赤だ。もうこれが答えと言っても過言ではない気がする。

 俺は柊木が好きだ。柊木も俺を好き。
 だが、柊木はどうしても〝私も好き〟とは言えない。
 構わない。柊木の気持ちを理解し、尊重する――俺はそれができる男だ。
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