独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
「言わなくていい。柊木が自分から言いたくなるまで全然待てるし、俺」

 カスの元彼どもとは違ってな、と喉まで出かかっていた言葉は無理やり呑み込んだ。

「こっち向いて」
「あ、ぅ……」

 囁くと、ゆっくり向き直ってくれる。
 素直にそうしてくれたわりに目が合わない。忙しなく泳いでいる。

 本当に可愛い。
 飽きるわけがない。二年あまり、俺はもうずっと柊木のすべてが〝可愛い〟に繋がってしまう状態で生きているのに。

 泊まりの用意はしてこなかったから、今夜は帰らなければならない。
 名残惜しくて頭がおかしくなりそうだ。せめてあと少しだけでも傍にいたい。離れたくない。

「キスしよう。もう一回」

 返事は待たなかった。
 吸いすぎてやや腫れぼったくなった彼女の唇に、何度目になるか分からない口づけを落とした。
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