追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
第7話 麗しの恋敵、獲物を狙って爪を研ぐ
《1》
彼女の部屋へ夕食に誘われた夜から、二週間が過ぎた。
「飲みすぎましたぁ~」
「おい、まっすぐ歩け……あの出張以来だな、こういう醜態」
からかうような調子で返すと、柊木は緩んだ顔で身を寄せてくる。
深酔いした彼女と、そんな彼女に寄り添う自分。あの出張の夜とシチュエーションがかなり似ている。ただ、柊木の様子はあの日と重ならない。
気の緩んだその顔からは、〝俺だけの柊木〟という感じがものすごくする。
とんでもない幸福感だ。一生噛み締め続けていたくなる。
「えへへ、醜態! ほんと醜態! 大変!」
「日中と人が変わってるな……」
べろべろの柊木を抱き留めつつ歩く。人気のない路地を進みながら、いっそ他人の目があれば見せつけてやれるのに、ともったいない気分になる。
柊木との関係が一変したあの出張が、まるで遠い昔のことのようだ。
あの日、夜から朝にかけて、柊木は終始申し訳なさそうだった。
でも今の彼女は違う。ずっと笑っている。そればかりか、心地好さそうに目を細めて身を寄せてくる。可愛い。気を抜くとすぐにその感想だけで頭が埋め尽くされてしまう。
「飲みすぎましたぁ~」
「おい、まっすぐ歩け……あの出張以来だな、こういう醜態」
からかうような調子で返すと、柊木は緩んだ顔で身を寄せてくる。
深酔いした彼女と、そんな彼女に寄り添う自分。あの出張の夜とシチュエーションがかなり似ている。ただ、柊木の様子はあの日と重ならない。
気の緩んだその顔からは、〝俺だけの柊木〟という感じがものすごくする。
とんでもない幸福感だ。一生噛み締め続けていたくなる。
「えへへ、醜態! ほんと醜態! 大変!」
「日中と人が変わってるな……」
べろべろの柊木を抱き留めつつ歩く。人気のない路地を進みながら、いっそ他人の目があれば見せつけてやれるのに、ともったいない気分になる。
柊木との関係が一変したあの出張が、まるで遠い昔のことのようだ。
あの日、夜から朝にかけて、柊木は終始申し訳なさそうだった。
でも今の彼女は違う。ずっと笑っている。そればかりか、心地好さそうに目を細めて身を寄せてくる。可愛い。気を抜くとすぐにその感想だけで頭が埋め尽くされてしまう。