追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「上手に喋れてないの珍しいな、録音していいか?」
「やめっ、やめてください、本当にやめ、お願いしま」
「いや焦りすぎだろ、冗談だ」
はは、と笑う鵜ノ崎さんの声が耳に優しい。
醜態を晒す私が今、黙っているより喋っているほうが楽なのだと、この人はきっと理解してくれている。
「なぁ」
「はい?」
「訊いてもいいか。前の仕事、辞めた理由」
ふ、と酔いが一瞬和らいだ。
顔を上向け、私はまじまじと隣の鵜ノ崎さんを見つめる。働き始めて二年半も過ぎてからそんなことを訊かれるとは、正直思っていなかった。
「話題の変更、急では?」
「いやそうでもないよ、正直ずっと訊きたかった。普段堅い口、べろんべろんの今なら割ってくれるんじゃないかって期待してる」
「べろんべろんて……いや実際おっしゃる通りなんですけど、うーん」
「今後のためにも教えてくれよ。柊木には絶対に辞めてほしくないからさ、俺」
は、と思わず間抜けな声が漏れた。
なんだそれ。ストレートな言葉に驚きを隠しきれなくなる。平然として見えるけれど、実は鵜ノ崎さんも結構酔っているのでは、と勘ぐってしまう。
「やめっ、やめてください、本当にやめ、お願いしま」
「いや焦りすぎだろ、冗談だ」
はは、と笑う鵜ノ崎さんの声が耳に優しい。
醜態を晒す私が今、黙っているより喋っているほうが楽なのだと、この人はきっと理解してくれている。
「なぁ」
「はい?」
「訊いてもいいか。前の仕事、辞めた理由」
ふ、と酔いが一瞬和らいだ。
顔を上向け、私はまじまじと隣の鵜ノ崎さんを見つめる。働き始めて二年半も過ぎてからそんなことを訊かれるとは、正直思っていなかった。
「話題の変更、急では?」
「いやそうでもないよ、正直ずっと訊きたかった。普段堅い口、べろんべろんの今なら割ってくれるんじゃないかって期待してる」
「べろんべろんて……いや実際おっしゃる通りなんですけど、うーん」
「今後のためにも教えてくれよ。柊木には絶対に辞めてほしくないからさ、俺」
は、と思わず間抜けな声が漏れた。
なんだそれ。ストレートな言葉に驚きを隠しきれなくなる。平然として見えるけれど、実は鵜ノ崎さんも結構酔っているのでは、と勘ぐってしまう。