追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「ああ。ありがとう」
頭を撫でられ、ああこれは教えてもらえないな、と諦念がよぎった。尋ねたわけではないのだから当たり前なのに、ひとりで勝手に傷ついた気分になる。
それきり口ごもった私の髪を、ひと房そっと指で掬い上げた彼が、不意に眉尻を下げた。
「寂しいな。柊木と二日も会えないなんて」
髪へ口づけてから告げる鵜ノ崎さんの声は、どこか愚痴じみていた。
ご実家の都合なら、確かにただの旅行気分ではいられないだろう。平日に有休を取ってまで、となれば感覚的には仕事とあまり変わらないのかもしれない。
髪に口づける所作が、まるで私に見せつけたがっているようで、私の顔はまんまと熱くなる。
照れをごまかしながらの返事は、異様に口早になってしまう。
「たった二日ですよ。半年くらい前、二週間近く会わなかった月もありましたよね」
「あったっけ、そんなこと? 俺そのときどうしてた?」
「どうと訊かれましても……いつも通りだったと思いますよ」
「嘘だろ、そういう演技貫ける自信とかもうないわ。明日だって本当は連れていきたい」
じゃあ〝連れてって〟って言ったら連れてってくれるんですか、と喉まで出かかった問いかけを、私は無理やり呑み込んだ。
頭を撫でられ、ああこれは教えてもらえないな、と諦念がよぎった。尋ねたわけではないのだから当たり前なのに、ひとりで勝手に傷ついた気分になる。
それきり口ごもった私の髪を、ひと房そっと指で掬い上げた彼が、不意に眉尻を下げた。
「寂しいな。柊木と二日も会えないなんて」
髪へ口づけてから告げる鵜ノ崎さんの声は、どこか愚痴じみていた。
ご実家の都合なら、確かにただの旅行気分ではいられないだろう。平日に有休を取ってまで、となれば感覚的には仕事とあまり変わらないのかもしれない。
髪に口づける所作が、まるで私に見せつけたがっているようで、私の顔はまんまと熱くなる。
照れをごまかしながらの返事は、異様に口早になってしまう。
「たった二日ですよ。半年くらい前、二週間近く会わなかった月もありましたよね」
「あったっけ、そんなこと? 俺そのときどうしてた?」
「どうと訊かれましても……いつも通りだったと思いますよ」
「嘘だろ、そういう演技貫ける自信とかもうないわ。明日だって本当は連れていきたい」
じゃあ〝連れてって〟って言ったら連れてってくれるんですか、と喉まで出かかった問いかけを、私は無理やり呑み込んだ。