追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「今日は急にお呼び立てしてすみません」
「い、いいえ。こちらこそ」
「他のお店だと、目立って迷惑かけちゃうかなって……髪型も変えてますし、今日はアユカさんメイクだし、大丈夫だとは思ったんですけどどうしても心配で」
ぎくりとする。
特に〝アユカさんメイク〟という言葉がひときわ深く耳に残り、不穏を煽る。
まさか、私の顔貌に寄せたメイク、という意味なのか。
「あの……レミ、さん」
目の前のレミさんは、大胆な表情やプロポーションが印象的なモデルのレミと同一人物とは思えないくらい、上品な仕種や立ち居振る舞いを保っている。
そうだ。田口さんも話していたし、サイトにも堂々と掲載されていた。この人は生粋のお嬢様なのだ。
つい見惚れそうになったものの、呑気に見惚れている場合ではない。気を引き締める。
「アユカさん、髪結んでるんですね。朝結んでなかったから油断しちゃった、あたしも同じにしなきゃ……あ、でもヘアゴムないや今」
シュシュでまとめて右肩に流している私の髪をじっと見つめながら、自分の黒髪を手で括った後、レミさんは苦笑いとともに髪から手を放した。
「い、いいえ。こちらこそ」
「他のお店だと、目立って迷惑かけちゃうかなって……髪型も変えてますし、今日はアユカさんメイクだし、大丈夫だとは思ったんですけどどうしても心配で」
ぎくりとする。
特に〝アユカさんメイク〟という言葉がひときわ深く耳に残り、不穏を煽る。
まさか、私の顔貌に寄せたメイク、という意味なのか。
「あの……レミ、さん」
目の前のレミさんは、大胆な表情やプロポーションが印象的なモデルのレミと同一人物とは思えないくらい、上品な仕種や立ち居振る舞いを保っている。
そうだ。田口さんも話していたし、サイトにも堂々と掲載されていた。この人は生粋のお嬢様なのだ。
つい見惚れそうになったものの、呑気に見惚れている場合ではない。気を引き締める。
「アユカさん、髪結んでるんですね。朝結んでなかったから油断しちゃった、あたしも同じにしなきゃ……あ、でもヘアゴムないや今」
シュシュでまとめて右肩に流している私の髪をじっと見つめながら、自分の黒髪を手で括った後、レミさんは苦笑いとともに髪から手を放した。