追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「レミさん、お、落ち着いて……」
「落ち着けるわけないじゃない、好きな人が騙されそうになってるのに!」
いつの間にか、レミさんの喋り方も言葉選びも、溜め込んだ感情を吐き出すかのような強い調子に変わっていた。
まくし立てる勢いで口を動かしながら、彼女はテーブルの上で拳を握り締めていた。きつく握られた手指からはすっかり血の気が引いていて、その白すぎる拳から目が離せなくなる。
「あたしたちみたいな人間って、家の都合で結婚するなんて当たり前なんですよ。そういうものなの」
「あ……」
「なのにずるずる先延ばしにして……ねぇアユカさん騙されてない? 利用されてるだけなんじゃないの? それじゃアユカさんが幸せになんかなれるはずない!」
ぎゅ、と握られたレミさんの拳がテーブルに強く押しつけられ、洒落た造りの天板がテーブルごとカタカタ小刻みに揺れる。
レミさんは怒っている。
話したこともない私のために――いや、違う。
「いいですか、アユカさん。鵜ノ崎の息子とはあたしが結婚します」
「っ、なんで、そんな」
「アユカさんだって知ってるでしょう? 男って狡くて汚くて、そういう奴ばっかり」
「落ち着けるわけないじゃない、好きな人が騙されそうになってるのに!」
いつの間にか、レミさんの喋り方も言葉選びも、溜め込んだ感情を吐き出すかのような強い調子に変わっていた。
まくし立てる勢いで口を動かしながら、彼女はテーブルの上で拳を握り締めていた。きつく握られた手指からはすっかり血の気が引いていて、その白すぎる拳から目が離せなくなる。
「あたしたちみたいな人間って、家の都合で結婚するなんて当たり前なんですよ。そういうものなの」
「あ……」
「なのにずるずる先延ばしにして……ねぇアユカさん騙されてない? 利用されてるだけなんじゃないの? それじゃアユカさんが幸せになんかなれるはずない!」
ぎゅ、と握られたレミさんの拳がテーブルに強く押しつけられ、洒落た造りの天板がテーブルごとカタカタ小刻みに揺れる。
レミさんは怒っている。
話したこともない私のために――いや、違う。
「いいですか、アユカさん。鵜ノ崎の息子とはあたしが結婚します」
「っ、なんで、そんな」
「アユカさんだって知ってるでしょう? 男って狡くて汚くて、そういう奴ばっかり」