追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
鵜ノ崎さんの実家は、明治時代から続く名士の一族だ。
亡きお祖父様は、国内外に多くの拠点を持つ巨大企業グループ〝鵜ノ崎グループ〟の創始者であり、お父様は現役でグループ会社の会長を務めている――つまり、鵜ノ崎さんはとんでもない御曹司なのだ。
起業直後こそ、そんな実家からの支援もあったらしいけれど、私は当社が軌道に乗った後に入社した人間だから詳しい事情は分からない。
鵜ノ崎さん自身、身内や家の立場を利用した商談を避けている節はあり、ここ数年はほぼ彼の手腕によって業績を伸ばしている。
先を読む力、フットワークの軽さ、決断時のスピード……尊敬に値する。そんな彼の元で働けているから、私は安心して仕事漬けになっていられる。
私が仕事にすべてを捧げられるのは、この人がいてくれるからこそ。
「……鵜ノ崎さん」
「どうした?」
心配そうな目を向けられ、つい気が緩んでしまう。
大学時代の惨めな私の姿を、どうか一生思い出さないでいてほしいな、と心から思う。今のままでいい、というよりは今のままがいい。
亡きお祖父様は、国内外に多くの拠点を持つ巨大企業グループ〝鵜ノ崎グループ〟の創始者であり、お父様は現役でグループ会社の会長を務めている――つまり、鵜ノ崎さんはとんでもない御曹司なのだ。
起業直後こそ、そんな実家からの支援もあったらしいけれど、私は当社が軌道に乗った後に入社した人間だから詳しい事情は分からない。
鵜ノ崎さん自身、身内や家の立場を利用した商談を避けている節はあり、ここ数年はほぼ彼の手腕によって業績を伸ばしている。
先を読む力、フットワークの軽さ、決断時のスピード……尊敬に値する。そんな彼の元で働けているから、私は安心して仕事漬けになっていられる。
私が仕事にすべてを捧げられるのは、この人がいてくれるからこそ。
「……鵜ノ崎さん」
「どうした?」
心配そうな目を向けられ、つい気が緩んでしまう。
大学時代の惨めな私の姿を、どうか一生思い出さないでいてほしいな、と心から思う。今のままでいい、というよりは今のままがいい。