追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
 ソファに身を沈めたきりの彼女を見下ろす形で、まっすぐに目を見て告げる。
 レミさんの目尻はまだ涙で濡れていて、その雫がアイメイクを――私に似せたと本人が明言したメイクを微かに溶かしている。

 ああ、じっくり見たらやっぱり言うほど似てはいないな、と感じる。

「分かりました。なんていうか、あたしも……ちょっと興醒め」

 はは、と乾いた声で笑った後、レミさんは諦めたような声を漏らした。

「消させます。元々ネットには流してないですし、万が一今後手違いで流れたとしても、あたしだって言う気はもうないです」

 はぁ、と溜息を落とした彼女は、手のひらで目元を押さえながら天を仰いで、それから弱々しい笑いを交えて呟いた。

「ごめんね、アユカさん。怖がらせちゃった」
「……レミさん」
「欲が出たの。今のあたしなら、アユカさんにちゃんと並べるんじゃないかって……笑いかけてもらえるんじゃないかって」

 寂しそうに笑うレミさんの目から、目が離せなくなる。
 彼女の綺麗な指が腕に触れ、気づいたときには私の身体はレミさんに強く引っ張られていた。バランスを崩して傾いだ私は、レミさんが座るソファの座面に堪らず膝をついて、そのときにはすでにレミさんの腕は私の腰を抱き寄せていて……避ける暇がなかった。
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