追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に溺愛されています
「女でも子供でも駄目だ」
「あ……」
「縛るみたいで悪いけど、もし次があるならそのときは俺も連れてってくれ」
「次、なんて、……あっ!?」

 返事の途中で、身体がふわりと宙に浮く。
 抱き上げられたのだと気づき、咄嗟に首元へしがみついた。

 抱えられてからパンプスを剥ぎ取られ、歩幅も広く彼が向かった先は寝室だ。
 ベッドの上、マットレスに横たえられてからぎくりと肩が強張った。一日中動き回ってシャワーも浴びていない身体は、冬が近いとはいえ汗もかいている。

「あのっ、待っ……」

 待って、と言いかけた私の唇は、鵜ノ崎さんの人差し指を置かれて動きを封じられてしまった。

「待たない。風呂は終わってから(・・・・・・)一緒に入ろう」

 カッと頬が熱くなる。
 今までだって何度もあった。私の言いたいことは多分、この人には全部お見通しだ。

「今日はもう、夜が明けるまでこの部屋でふたりきりだ。いいな?」
「あ、ぅ、でも」
「さっき柊木も言ってたろ。ふたりになりたいって」

 囁かれるや否や、再びキスの嵐が降り注いでくる。
 腫れぼったくなった唇は、うっすらと麻痺し始めている。食い下がることを早々に諦めた私は、馬乗りになって夢中で私にキスを降らせてくるあなたの首へ、自ら腕を巻きつけた。
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