追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に溺愛されています
「だって、鵜ノ崎さんお忙しいかなって思って、余計なことは言わないほうがご心配をかけずに済むかと」

 言い淀んだ理由は、鵜ノ崎さんがたった今口にした理由とほぼ同じだった。

「そうか……伏せた理由、そこまで被るとはな」
「はい……びっくりするくらい同じですね」

 互いに伏し目がちに報告し合った後、やはり互いに、それも同時に溜息が零れた。

「駄目だな、これからは事前に報告・連絡・相談を徹底しよう絶対……」
「そうですね、隠しごとは良くないですね本当……」

 途中から反省会めいた空気が漂ってしまったものの、それでも美味しく朝ご飯をいただいて、「ごちそうさまでした」と手を合わせてから皿を片づける。
 今度は私も手伝った。キッチンへ皿を運び、シンクの手前に並んで洗い物を手伝う。
 下洗いの済んだお皿を食器洗浄機に並べていく途中、「そういえば」と私は鵜ノ崎さんに気になっていたことを尋ねる。

「鵜ノ崎さんは、私がレミさんに似てるって感じたことはありますか?」
「は?」
「いや、自分が売れっ子モデルに似てるなんて思い上がりも甚だしいのは重々承知の上なんですけど、アプリのアイコンが……その」

 言い訳を重ねれば重ねるほど、おこがましいことを言っている感覚が増していく。
 そのせいでだんだん早口になってしまう。
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