独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
書籍発売記念SS
ハッピーエンドの一年後
「わ……!」
花嫁控え室の中、鏡に映し出された自分の姿をひと目見て、思わず感嘆の声が零れた。
試着ももちろん事前にしていて、そのときも同じ声をあげた気がする。隣では今、感極まった様子の母が目頭を押さえている。
――今日は、私と統弥さんの結婚式。
挙式に参列するのは身内だけに限定している。
ドレス姿を母に見せるのは今が初めてで、なんとなく照れくさい。
「本当に綺麗。お父さん、今の歩加を見たらまた泣いちゃうわね」
「ええ~、大丈夫かなぁ」
褒められた直後に不安を煽る言葉が続き、我ながらかなり怪訝そうな声が漏れる。
十年以上前、私がまだ高校生だった頃に執り行われた姉の結婚式でも、父は大泣きしていた。姉は婿取りで、その後の同居が決まっていたにもかかわらずの号泣だった。
今日も朝から涙目だったそうで、ホテルから式場へ到着したとき、すでに父の目は赤く腫れていた。
姉とは違い、私は地元には戻らない。
だから父の気持ちもまぁ分からなくはない。
だとしてもさすがにフライングが過ぎるのでは、と心配になる。
花嫁控え室の中、鏡に映し出された自分の姿をひと目見て、思わず感嘆の声が零れた。
試着ももちろん事前にしていて、そのときも同じ声をあげた気がする。隣では今、感極まった様子の母が目頭を押さえている。
――今日は、私と統弥さんの結婚式。
挙式に参列するのは身内だけに限定している。
ドレス姿を母に見せるのは今が初めてで、なんとなく照れくさい。
「本当に綺麗。お父さん、今の歩加を見たらまた泣いちゃうわね」
「ええ~、大丈夫かなぁ」
褒められた直後に不安を煽る言葉が続き、我ながらかなり怪訝そうな声が漏れる。
十年以上前、私がまだ高校生だった頃に執り行われた姉の結婚式でも、父は大泣きしていた。姉は婿取りで、その後の同居が決まっていたにもかかわらずの号泣だった。
今日も朝から涙目だったそうで、ホテルから式場へ到着したとき、すでに父の目は赤く腫れていた。
姉とは違い、私は地元には戻らない。
だから父の気持ちもまぁ分からなくはない。
だとしてもさすがにフライングが過ぎるのでは、と心配になる。