追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「………………ああ。よろしく頼む」

 間を置いたせいで含みのある返事になった気がしてハラハラしたが、柊木は多分、いや確実に気づいていない。

 一歩くらいは前に進めたのでは、ここで折れるな、頑張れ俺、今までだって全然分かってもらえてなかっただろ――心の中で必死に自分を鼓舞する。
 そうしなければ、今にも膝から崩れ落ちてしまいそうだった。

 本当に、俺だけがひとりで溺れさせられてばかりだ。
 追いかける恋がこれほど苦く困難なものだったとは、と溜息が零れそうになった。
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