追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
びく、と一瞬思考が弾け、それから通話の着信だと気づく。
鳴っているのは彼の私用のスマホだ。席を外さないと、と会釈してから踵を返す。
けれど次の瞬間、私の腕は鵜ノ崎さんの指に捕まえられ、動かせなくなった。
「えっ?」
ぎょっとして、つい咎めるような視線を彼に向ける。
けれど、鵜ノ崎さんはちっとも悪びれた様子を見せない。
ここにいろ、という意味なのか。
理由も分からないまま、私はその場に足を縫いつけられたきり、電話に応じる鵜ノ崎さんの声を聞いているしかなくなる。
「はい」
『ああ、統弥。お父さんですどうもどうも』
スピーカーに切り替えたらしい鵜ノ崎さんの端末から聞こえてきたのは渋い男性の声で、私はぴしりと固まった。
――お父さんです、って電話口で言うタイプのお父さんなんだ。
多分、その感想が思いきり顔に出た。
部外者が聞いちゃってすみませんという気持ちと、無礼な感想を顔に出してすみませんという気持ちでパンクしかけた私は、堪らず口元を手で覆う。
鳴っているのは彼の私用のスマホだ。席を外さないと、と会釈してから踵を返す。
けれど次の瞬間、私の腕は鵜ノ崎さんの指に捕まえられ、動かせなくなった。
「えっ?」
ぎょっとして、つい咎めるような視線を彼に向ける。
けれど、鵜ノ崎さんはちっとも悪びれた様子を見せない。
ここにいろ、という意味なのか。
理由も分からないまま、私はその場に足を縫いつけられたきり、電話に応じる鵜ノ崎さんの声を聞いているしかなくなる。
「はい」
『ああ、統弥。お父さんですどうもどうも』
スピーカーに切り替えたらしい鵜ノ崎さんの端末から聞こえてきたのは渋い男性の声で、私はぴしりと固まった。
――お父さんです、って電話口で言うタイプのお父さんなんだ。
多分、その感想が思いきり顔に出た。
部外者が聞いちゃってすみませんという気持ちと、無礼な感想を顔に出してすみませんという気持ちでパンクしかけた私は、堪らず口元を手で覆う。