追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
電話越しながらも、お父様の声がワントーン低くなったと分かり、ぎくりと背が強張った。
『お前のお眼鏡に適ったお嬢さん、ぜひお会いしたいなぁ。どんな素晴らしい方なんだろうね』
「そうですね、少なくとも僕は彼女以外には考えられません。挨拶がてら、近いうちに連れていきますよ」
『へぇ、そりゃあ楽しみだなぁ』
お父様に応じる鵜ノ崎さんの口調は相変わらず淡々としていて、けれど内容がとんでもない。手を掴んだままでなんてことを言い出すのか、と頬が熱くなる。
それまで緊張を湛えていた鵜ノ崎さんの唇が、微かに緩んで笑みの形を描いた、そのときだった。
『じゃあ今夜、連れてきてもらっていい?』
「は?」
ひゅ、と息が詰まった。
今度、ではなく、今夜。お父様のひと言で、話の雲行きが一気に怪しくなる。鵜ノ崎さんの眉が露骨に寄り、声にはにわかに焦りが滲み始める。
「そんな急な……無理に決まってるでしょう、こちらにも都合が」
『は~ん? やっぱりお前、〝結婚を前提にした恋人〟なんて別にいないんじゃないのォ~?』
「違う。あらかじめ伝えておいてもらわないと困るって言ってるだけだ」
『お前のお眼鏡に適ったお嬢さん、ぜひお会いしたいなぁ。どんな素晴らしい方なんだろうね』
「そうですね、少なくとも僕は彼女以外には考えられません。挨拶がてら、近いうちに連れていきますよ」
『へぇ、そりゃあ楽しみだなぁ』
お父様に応じる鵜ノ崎さんの口調は相変わらず淡々としていて、けれど内容がとんでもない。手を掴んだままでなんてことを言い出すのか、と頬が熱くなる。
それまで緊張を湛えていた鵜ノ崎さんの唇が、微かに緩んで笑みの形を描いた、そのときだった。
『じゃあ今夜、連れてきてもらっていい?』
「は?」
ひゅ、と息が詰まった。
今度、ではなく、今夜。お父様のひと言で、話の雲行きが一気に怪しくなる。鵜ノ崎さんの眉が露骨に寄り、声にはにわかに焦りが滲み始める。
「そんな急な……無理に決まってるでしょう、こちらにも都合が」
『は~ん? やっぱりお前、〝結婚を前提にした恋人〟なんて別にいないんじゃないのォ~?』
「違う。あらかじめ伝えておいてもらわないと困るって言ってるだけだ」