追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
誤解だと訴えても取りつく島もなく、連絡も途絶えがちになり、私は焦っていた。
なにかがおかしいと気ばかりが急いて、そんな中、酒巻先輩と連れ立って私の前に立ちはだかったのが姫田さんだ。
場所は学内の食堂。それも、人目の多い昼の時間だった。
ふたりの間では、姫田さんが私から嫌がらせを受けている、という話になっていた。
酒巻先輩は姫田さんの隣でばつの悪そうな顔をしていたから、そういう体で話を進めようとふたりの間で打ち合わせ済みなのかもと気づかないわけにはいかなくて、けれど焦りに呑まれた私はとにかく心がついてこなかった。
誤解だと訴えれば訴えるほど、ただ私が言い訳をしている形になる。混み合う食堂で口論が激しくなっていくにつれ、周囲からはますます怪訝そうな目を向けられる。
私が不利になる状況で、私が不利になる話題を、ふたりはわざと私に振っていたのだと思う。こうすればさすがに諦めるだろうという意図が、それぞれに見え透いていた。
『なんで黙ってるんですか?』
『私、なにも悪いことしてないですよね?』
姫田さんには話が通じないから、酒巻先輩に直接訴えた。
今思えば、あれは完全に悪手でしかなかった。腕を掴んで縋った私の手を、彼はやんわりとたしなめるようにして引き剥がした。
なにかがおかしいと気ばかりが急いて、そんな中、酒巻先輩と連れ立って私の前に立ちはだかったのが姫田さんだ。
場所は学内の食堂。それも、人目の多い昼の時間だった。
ふたりの間では、姫田さんが私から嫌がらせを受けている、という話になっていた。
酒巻先輩は姫田さんの隣でばつの悪そうな顔をしていたから、そういう体で話を進めようとふたりの間で打ち合わせ済みなのかもと気づかないわけにはいかなくて、けれど焦りに呑まれた私はとにかく心がついてこなかった。
誤解だと訴えれば訴えるほど、ただ私が言い訳をしている形になる。混み合う食堂で口論が激しくなっていくにつれ、周囲からはますます怪訝そうな目を向けられる。
私が不利になる状況で、私が不利になる話題を、ふたりはわざと私に振っていたのだと思う。こうすればさすがに諦めるだろうという意図が、それぞれに見え透いていた。
『なんで黙ってるんですか?』
『私、なにも悪いことしてないですよね?』
姫田さんには話が通じないから、酒巻先輩に直接訴えた。
今思えば、あれは完全に悪手でしかなかった。腕を掴んで縋った私の手を、彼はやんわりとたしなめるようにして引き剥がした。