追う恋はもうしたくない恋愛弱者の私、釣り合うはずのない敏腕ハイスペ社長に追われています
「それでしたら、私を使ってまで縁談を切る必要はないのでは……もしかしたら今後、良いご縁だってあるかもしれませんし」
「いや、駄目だ」
駄目、と鸚鵡返ししてしまう。
そんな断言が返ってくるとはという驚きと、やはり無神経な物言いだったかもという不安があった。返す言葉が見つからず黙り込んだ私の顔を覗き込み、今度は鵜ノ崎さんが尋ねてくる。
「結婚って、柊木はなんだと思う?」
「け、結婚? ですか? ええと……そうですね」
思わぬ問いかけに戸惑いながらも、今度こそ不躾な物言いにならないよう、少し考えてから答えを口にする。
「この人となら一緒に生きていけるって信じた人と添い遂げること、でしょうか」
「そうだな。けど、うちってちょっと違うんだ」
肯定にほっとしたのは一瞬で、私は鵜ノ崎さんの横顔を呆然と見つめる。
鵜ノ崎さんはすでに私を見てはいなかった。海を、というよりはただ遠くを見ていた。
「最初から決まってる。財産を維持したり増やしたり、そのために結婚して子供を作って縁を広げたり……どっちかっていうとそういう家なんだ」
「あ……」
「生まれた子供を親戚なんかの養子にするのもわりと普通だし、そうやって人脈と資産のために身内を動かしたり、自分が動かされたりもする。簡単に言えば、駒みたいに使ったり使われたりする」
「いや、駄目だ」
駄目、と鸚鵡返ししてしまう。
そんな断言が返ってくるとはという驚きと、やはり無神経な物言いだったかもという不安があった。返す言葉が見つからず黙り込んだ私の顔を覗き込み、今度は鵜ノ崎さんが尋ねてくる。
「結婚って、柊木はなんだと思う?」
「け、結婚? ですか? ええと……そうですね」
思わぬ問いかけに戸惑いながらも、今度こそ不躾な物言いにならないよう、少し考えてから答えを口にする。
「この人となら一緒に生きていけるって信じた人と添い遂げること、でしょうか」
「そうだな。けど、うちってちょっと違うんだ」
肯定にほっとしたのは一瞬で、私は鵜ノ崎さんの横顔を呆然と見つめる。
鵜ノ崎さんはすでに私を見てはいなかった。海を、というよりはただ遠くを見ていた。
「最初から決まってる。財産を維持したり増やしたり、そのために結婚して子供を作って縁を広げたり……どっちかっていうとそういう家なんだ」
「あ……」
「生まれた子供を親戚なんかの養子にするのもわりと普通だし、そうやって人脈と資産のために身内を動かしたり、自分が動かされたりもする。簡単に言えば、駒みたいに使ったり使われたりする」