独占欲に火がついた御曹司が溺愛猛追で鉄壁ガードを崩してきます
「冷たいな。恋人なのに、俺たち」

 ふ、と笑い交じりに囁いた鵜ノ崎さんの顔が、目の奥に焼きついて離れなくなる。
 残念そうに見えたから、違いますよね、と真っ向から否定することは叶わなかった。どこまでが本意なのか分からない。けれど、見つめられながら、先日の出張の際に聞いた彼の言葉が頭の奥でずっと繰り返されていた。

『恋人になってほしい』

 あの言葉は、どういう意味だった?
 もし言葉通りの意味だったなら、私が曲解しているだけなら、前提がすべて覆ってしまう。

 この二年半で、私は鵜ノ崎さんを理解したつもりでいた。
 彼がどんなふうにものごとを考えるか、どういうときにどんな選択をするか、正しく分かっていると思い込んでいた。

 けれど今はなにも分からない。
 私が知っているのは、上辺の、表面的な鵜ノ崎さんだけだ。
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