野いちご源氏物語 五一 浮舟(うきふね)
匂宮(におうのみや)様はご心配なさっている。
ご計画に対する同意がないばかりか、お手紙への返事さえろくに来ないのだもの。
(かおる)(きみ)が私を浮気な男だとでも言ったのかもしれない。それで真面目なあちらに決めたのだろう>
仕方がないとお思いになる一方で、(くや)しくてねたましい。
<あれほど私のことを愛してくれていたではないか。きっと長く会えない間に、女房(にょうぼう)が余計なことを言って、姫の考えを変えさせたのだ>
あれこれ考えつづけると、苦しいお気持ちが空を(おお)ってしまったような気がなさる。
いてもたってもいられなくなって宇治(うじ)へお越しになった。
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