野いちご源氏物語 五一 浮舟(うきふね)
宮様からは切羽詰まった恨み言のお手紙が届く。
<死ぬと決めたのだもの。今さらお返事なんて危険でしかない>
と思って、本当に書きたいことは書かない。
「私が跡形もなく姿を消してしまったら、宮様は恨み言の続きをどこに向かっておっしゃるのでしょうか」
とだけ書いてお送りした。
薫の君にも最後に一言申し上げておきたいけれど、
<宮様と薫の君は親しい仲でいらっしゃるから、死んだ後で『私のところに手紙が届いた』『私もだ』となったら見苦しい。何も申し上げずに死んでしまおう>
と思い直す。
<死ぬと決めたのだもの。今さらお返事なんて危険でしかない>
と思って、本当に書きたいことは書かない。
「私が跡形もなく姿を消してしまったら、宮様は恨み言の続きをどこに向かっておっしゃるのでしょうか」
とだけ書いてお送りした。
薫の君にも最後に一言申し上げておきたいけれど、
<宮様と薫の君は親しい仲でいらっしゃるから、死んだ後で『私のところに手紙が届いた』『私もだ』となったら見苦しい。何も申し上げずに死んでしまおう>
と思い直す。