完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
そして、静かに言った。
「アルティウスのトップが生きていました」
「……まさか」
「海外に逃亡していたようです。そして現在、日本に戻っています」
迅の声は低かった。
アルティウスのトップは獅堂家の手によって死んだはずだ。
それなのに逃亡したとは……
「武器の密輸を始めているとの報告です」
部屋の空気が冷えた。
俺はしばらく何も言わなかった。
そして、小さく呟く。
「……面白いな」
指を組みながら言う。
「死んだはずの男が生きてたってわけか」
迅は静かに頷いた。
「ええ。アルティウスは……まだ終わっていません」
「動きを全部洗え。資金ルート、接触先、全部だ」
「はい、黒耀に回します……要様、次の会議はいつに」
「金曜の夜なら時間がある」
「承知しました」
迅は静かに続けた。
「それから……先ほどの件ですが」
「ああ」
「記者に撮られております」
やはりか……
小さく息を吐く。
「面倒なことになりそうだな」
「すでにいくつかの媒体が動いているようです。数日後には出るかと」
「……好きにさせておけ」
「よろしいのですか?」
迅の問いに、俺は鼻で笑った。
「今さらだろ」
どうせ、いずれ表に出る話だ。
それに――
「目立った方が、向こうも動きやすい」