完璧王子×天然お嬢様~政略結婚のお相手は、喧嘩も強いんです~
胸が、ドクンと鳴る。
要さんの、あの出来事が頭をよぎった。
「詳細はまだ不明ですが……記者に見られていた可能性があるそうで……」
「え……?」
「近々、新聞などに掲載されるかもしれません」
一瞬、言葉を失う。
そんなに……大ごとだったの……?
ただのトラブル、ではなかったの……
「ですが、ご心配なさらず」
紬ちゃんは落ち着いた声で続ける。
「要様が対応されてますので」
「……はい」
そう返事をしたものの。
胸の中のざわつきは、消えなかった。
心配するなと言われても……
要さんも不安じゃないのかな。
そんなことを考えていたら、学校へ行く準備が遅くなってしまった。
今日から要さんと一緒に、専用車で登校するのに!
門の前には、すでに黒い高級セダンが停まっていた。
運転手さんとSPの人たちが周りに立っている。
「おはようございます、花音様」
「おはようございますっ遅くなってすみません!」
運転手さんが一礼して、後部座席のドアを開けてくれる。
中を覗くと……すでに要さんが座っていて、足を組んで本を読んでいた。
その姿があまりにも自然で、思わず見とれてしまう。
……って、そんなこと思っている場合じゃない。
「要さん、おはようございます!お待たせしました……」